12月定例研修会報告

 

 

【日 時】 平成29121日(金)19002100

【場 所】 かがわ総合リハビリテーションセンター 2階第2研修室

【テーマ】 事例検討 利用者の可能性を信じるPSWの葛藤

【事例発表者】馬場 正史 氏(医療法人社団以和貴会ライブサポートセンター)

【スーパーバイザー】 片岡 信之 氏(四国学院大学)

【参加者】 22名

 

 

○研修報告

 PSWは、当事者の目標達成に向けて本人の強みを活かし、関係機関と連携して支援を進めていく。しかし、支援を進めていく中で本当にこのままの支援でいいのか、関係機関と一貫した支援ができているのかと様々な葛藤を抱えることがある。今回の事例検討では、目標達成に向けての意欲を失っていくAさんへのアプローチについて、そのAさんにかかわる関係者への働きかけについて検討を行った。

 まず、馬場氏は当初のAさんとのかかわりについて話す。自立に向けて前向きな発言もあったが、徐々に目標達成に向けての生活状況は変わらず意欲は見られなくなっていった。事例のように、目標達成に向けて当事者とかかわりながら支援を進めていくが、実際の日常生活からすぐには目標達成に繋がらない場面もある。また、本人のサービス利用等計画書や個別支援計画を関係者と作成し共通の支援を行うが、すべての関係者が同じ思いとは限らない。馬場氏は、「計画書に並んである前向きな目標と本人の行動のギャップに戸惑いを感じ、本人に対して効果的なアプローチができない自分に苛立ちを覚えた。」と話す。また、本人や関係者と支援の話をする中で、「支援者間で本人を支援するスタンスに差があることや本人に対する思いが強いために、1人で空回りしているだけなのでは?」とPSWとして葛藤を感じることに気づく。

 今回のテーマである、「利用者の可能性を信じる」ということについて、本人の希望するニーズを含んだ計画書を基に支援を行うが、支援者の思いが先走ってしまうことはないだろうか。支援者が本人に変化を求めるだけの一方的な支援になってしまい、本人中心の支援ではなくなってしまう。本人の可能性を活かすためにも、PSWとして本当のニーズを読み取り、目標に近づくためのサポートを行っていくことが求められる。そのために、日々のかかわりの中で本人を知り本人を取り巻く関係者にも目を向けることが必要である。

 最後にスーパーバイザーの片岡氏より、「本人にとって“本当のニーズ”なのかを関係者全員で丁寧に確認して、それが“本当のニーズ”であれば改めて本当の目標として捉えられるようになる。」と話す。また、Aさんが次のステップに踏み出せないことについて、同じような経験を話してみて本人を後押しすることも大切であると馬場氏へ伝えた。また、後押しをする前に、本人の歩みを理解することで共に現状を共有できステップアップに繋がると片岡氏は話す。

 日々の支援の中で様々な葛藤を抱くことも多い。本人を中心とした支援を行うためにも一旦、今の支援が当事者にとってプラスになるのかを振り返り、関係者と支援を見直すことが必要である。

 

 

報告  藤井 志帆(三愛会共同生活援助事業所)