9月定例研修会報告

 

 

【日  時】  201897日(金)19:0021:00

【場  所】  ひまわりセンター 研修室4

【テ ー マ】    スーパービジョン入門編とピアスーパービジョン

【講  師】  齋中 康人 氏(古新町こころの診療所)

【参加者数】  25

 

 

 

●研修報告

 PSWとして従事されている方や、これからPSWを目指すという方にとって、スーパービジョンを「知っている」という人はほぼ全員ではないだろうか。その中で、「やっている」という人はどのくらいいるのだろうか。今回の研修会は『スーパービジョン入門編』として、「スーパービジョンって難しそうだな…」と感じる人や、「実際どうすればいいのだろう…」と感じている人にとって、第一歩となったのではないだろうか。

 今回講師として登壇した、当協会会長でもある齋中氏は、現在日本精神保健福祉士協会認定スーパーバイザーとしても従事されている。まず齋中氏から、自身の経験を踏まえてスーパービジョンの魅力や重要性についての講義がおこなわれた。日々の業務の中で、「PSWの専門性とは何なのか」「PSWとして支援するとはどういうことなのか」等、PSWとしての迷いや葛藤を抱くことはないだろうか。齋中氏はPSWとして就職してから、PSWのアイデンティティについて悩んでいたという。当時、クリニックにPSWが勤めていること自体稀だったこともあり、同じような境遇のPSWはそう多くなく、相談できる先輩PSWも限られていた。臨床心理士の事例検討会に参加したり、勤務先のDr.に相談してスーパービジョンを受けたりもしたが、そこにしっくりくる答えはなかった。そこで齋中氏は、大学時代の恩師に相談したり、書籍を読んだりして、どうにか解決の糸口を探したが、それでも解決できないことはあった。そこで齋中氏の救いとなったのが、PSW同士でのスーパービジョンだった。PSWの実践はマニュアルで解決できるものではない。PSWの原理原則が正しく守られた上で実践がなされているのか確認する方法、そして自身の実践と覚悟を保障してくれるものこそ、スーパービジョンである。スーパービジョンでは、提供事例そのものの内容検討や、支援方法を討議することが主の目的ではない。その提供事例を元に、かかわりに焦点を当て、事例提供者自身の自己洞察の質の向上を図ることを目的としている。それがグループでおこなわれる場合は、事例提供者に限らず、参加者全員の自己洞察の質の向上を図ることもできる。また、今回の研修会でおこなわれたピアスーパービジョンは、スーパーバイザーが居ない中、スーパーバイジーのみでおこなうものである。この場合、事例提供者以外は全員スーパーバイザーであり、スーパーバイジーとなる。日々忙しい業務の中でなかなか一人では自身の支援について振り返る機会が持てない、振り返ってもこれでよかったのかという不安が残る等といった悩みはないだろうか。スーパービジョンは、そういった悩みを払拭してくれるツールのひとつである。

さて、日々の業務やかかわりを振り返った時、私たちはクライエントに『自己開示』は出来ているだろうか。クライエントの主体性・自己決定を保障することはPSWとして大前提とされているが、PSWの主体性も必要である。PSWとして、私たちからクライエントに言葉にして伝え、一緒に考えていくことこそ、PSWの原理原則である『協働』につながる。スーパービジョンでは、自身が感じたこと・疑問に思ったこと等を、言葉で表現し伝えることで、『自己開示』の練習の場にもなる。そして、人から言われたことよりも自分から発信したことの方が重要であり、自身の学びにつながる。また、スーパービジョンをおこなうことで、クライエントの疑似体験にもなる。

 そのことを踏まえて、後半はグループに分かれてピアスーパービジョンをおこなった。まずは配布された発表概要記述シートに、各々現在の実践の中で困っていることの概要、話し合ってもらいたいことを記入し、発表のタイトルを設定した。そこから、グループ内で各自発表をし、そのグループ内で話し合う事例を1つ決めた。続いて、司会を決め、事例提供者から詳しい概要を聴き、話し合ってもらいたいことを元に意見交換をおこなった。提供事例は、自身の実践に重なることもあり、実際自身の事例が取り上げられずとも、解決の糸口につながるような話し合いとなった。最後に、話し合いを通して考えたこと、気づいたこと等をまとめ、グループ内で発表して終了した。

最後は、「スーパービジョンはPSWが成長していくために必要不可欠なもの。スーパービジョンを『知っている』から『やっている』と言えるように、変えていきましょう!」と齋中氏の力強い言葉で締めくくられた。

今回の研修で、スーパービジョンの片鱗を見ることができたが、では実際スーパービジョンをするにはどうすればいいのか。そう思われる方は、まず当協会の12月定例研修会のグループスーパービジョンに参加してみませんか?

 

 

 

報告  松下 瑞季(地域活動支援センター クリマ)